エンカウント構築 (Encounter Building)

『Draw Steel』における戦闘エンカウントは、単なる肉体的な衝突以上のものだ。それは、英雄たちが自分たちの英雄的な物語を、そして時として他者の物語も共に、一歩前へと進める場である。物語を構築する責任の多くはあなたにあるが、本書(およびその他のソース)に収録されている各エンカウントのテンプレートは、記憶に残る戦いを生み出すための戦術的、物語的、そして地図制作的な枠組みをディレクターに提供している。

ステップ・バイ・ステップのエンカウント構築 (Step-by-Step Encounter Building)

アドベンチャーに適した戦闘エンカウントを構築するには、以下のステップに従う:

  1. エンカウント予算を決定する: パーティ内の各英雄は、そのレベルに応じたエンカウント値(EV)を予算に提供する。
    • レベル1: EV 6
    • レベル2: EV 8
    • レベル3: EV 10
    • レベル4: EV 12
    • レベル5: EV 14
    • レベル6: EV 16
    • レベル7: EV 18
    • レベル8: EV 20
    • レベル9: EV 22
    • レベル10: EV 24
    • 例えば、4人のレベル1の英雄のパーティなら、エンカウント予算の合計は 24 EV となる。
  2. 難易度を選ぶ: 前のステップのエンカウント予算は、標準的(Standard)な難易度のエンカウントを作成することを前提としている。エンカウントをこれより簡単、あるいは難しくしたい場合は、EV 予算を以下のように調整する:
    • 低難度 (Easy): 予算の 75% を使用する。
    • 標準 (Standard): 予算の 100% を使用する。
    • 高難度 (Hard): 予算の 150% を使用する。
    • 極限 (Extreme): 予算の 200% を使用する。
    • つまり、先ほどの4人のレベル1英雄の例では、低難度は EV 18、標準は EV 24、高難度は EV 36、極限は EV 48 となる。
  3. 目的を選ぶ: 戦闘の物語的な目標は何だろうか? 目標があれば、プレイヤーは単に「敵を全員倒す」以上の動機を持つことができる。前のセクションにある「エンカウントの目的」を参照してほしい。特定の目的はエンカウントの難易度を変化させることがあるが、それは予算を使い切った後に適用される。
  4. モンスターを選ぶ: 予算を、パーティにぶつけたいモンスターたちの EV を合算して消費する。
    • 予算はきっちり使い切る必要はない。数ポイント多すぎたり少なすぎたりしても、ゲームが壊れることはないだろう。使い残した数ポイントがあるなら、それを「悪意(Malice)」に足し合わせることを検討してみよう(「悪意」のセクションを参照)。
    • 予算の配分を考える際には、以下のクリーチャーの構成と役割の組み合わせを参考にすると良い。
構成と役割のヒント (Organization and Role Tips)

モンスターの役割(Role)と構成(Organization)を適切に組み合わせることで、戦術的に興味深い戦闘を作成できる。

ミニオン (Minions)

ミニオンは、移動を阻害して英雄たちを束縛したり、防御力の低いエリアをカバーしたりするのに適している。ブルート、ディフェンダー、あるいはハリアーのミニオンを前線に配置し、アーティラリやヘクサー、コントローラーといったより脆い(しかし一発が重い)クリーチャーを守らせよう。

  • ヒント: ミニオンは一度に4体ずつ購入し、通常は英雄の数に見合うだけの数を配置するのが良い。
ブルート、ディフェンダー、サポートのミニオン (Brute, Defender, & Support Minions)

これらは敵の進軍を食い止める壁として機能する。彼らを密集させて通路を塞いだり、重要地点を守らせたりしよう。

  • ヒント: 高スタミナのプラトゥーンやリーダー・クリーチャーの周りに配置して、そのクリーチャーが大きな被害を受けるのを遅らせる。
ハリアーとアンブッシャー (Harriers & Ambushers)

ハリアーやアンブッシャーは、英雄たちの側面を突いたり、後方の魔法使いや遠隔攻撃手を狙ったりするのに適している。

  • ヒント: 少なくとも二体ペアで使用し、英雄の陣形を崩すように動かそう。
アンブッシャーとアモルファス (Ambushers & Amorphous)

物陰に隠れたり、不自然な場所から現れたりするモンスターは、常に英雄たちを疑心暗鬼にさせる。

  • ヒント: 彼らを「悪意」のイベントや増援として登場させ、英雄たちが有利だと思っている瞬間をひっくり返そう。
アーティラリ、ヘクサー、コントローラー (Artillery, Hexers, & Controllers)

これらの役割は、英雄たちが到達しにくい場所、例えば崖の上やバルコニー、あるいは障害物の後ろに配置するのがベストだ。

  • ヒント: ディフェンダーのすぐ後ろに配置して、英雄たちが彼らを仕留めに行くのを物理的に阻止させよう。
リーダー、ソロ、エリート (Leaders, Solos, & Elites)

これらはエンカウントの中心となるスターだ。彼らには常に個性的な名前や外見を与え(「傷だらけのオーク」といった簡単なものでも良い)、彼らがなぜ戦っているのか、あるいはなぜ英雄を一対一で圧倒できるのかを感じさせよう。

  • ヒント: これらの強力な敵を一体だけポンと置くのではなく、必ず数体のミニオンを付き添わせて、英雄たちが一斉に「タコ殴り」するのを防ぐようにしよう。

  1. マップを選ぶ: 戦場となる場所を選び、地形の特徴、遮蔽物、高低差などを設定する。マップは英雄のクラス特性が活かされる場であることを忘れないでほしい。通路や障害物を作ってタクテイシャンが敵を押し込めるようにしたり、高所を作って遠隔攻撃手が有利を得られるようにしよう。あるいは、英雄たちが避けるべき(あるいは敵を叩き込むべき!)危険なハザード(罠や溶岩、底なしの穴など)を用意するのも良い。

  2. エンカウントを微調整する: 最後に、全体を俯瞰して、難易度や戦術的なバランスに問題がないか確認する。例えば、味方を回復するアビリティを山ほど持っているパーティなら、もう少し攻撃力の高い敵を増やしても良いだろう。逆に、高レベルのパワーにまだ慣れていないパーティなら、シンプルでストレートな構成から始めるのが無難だ。


エンカウントの構築例

4人のレベル1英雄(予算 EV 24)のための標準的な戦闘を企画中。

  1. 基本予算は 24 EV。
  2. ゴブリンの徒党を組み合わせて「ミニオン+プラトゥーン」の構成にする。
  3. ゴブリンの背骨割り(ミニオン/ブルート、EV 1 × 8体 = EV 8)
  4. ゴブリンの投げ兵(ミニオン/アーティラリ、EV 1 × 4体 = EV 4)
  5. ゴブリンの偵察兵(プラトゥーン/ハリアー、EV 6 × 2体 = EV 12) 合計 24 EV。予算を完璧に使い切った! これに簡単なゴブリンのキャンプのマップと、「キャンプを無力化して物資を届ける( Diminish Numbers )」という目的を添えれば、エンカウントの完成だ。
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