英雄はテストを行う
英雄が敵の衛兵に気づかれず忍び込もうとする場合、英雄が「忍び足」のために敏捷力テストを行うべきか、それとも衛兵が英雄を見つけるために判断力テストを行うべきだろうか? カルト教信者が秘密の寺院の場所について英雄に嘘をついた場合、信者が真実を隠すために魅力テストを行うべきか、それとも英雄が信者の誠実さを見抜くために判断力テストを行うべきだろうか?
特定のシナリオ(後述の「NPCが欺瞞的課題でロールする」および「対抗パワーロール」を参照)を除き、テストを行うのは英雄であり、NPCではない。 英雄は物語の主役であり、テストの代償や報酬は英雄にとってより永続的な意味を持つからだ。もちろん例外はある。英雄と一緒に旅をするNPCの追随者(リテイナー)やコンパニオンは、時折テストを行うことになるだろう。しかし、基本的には、NPCやその他のクリーチャーの行動が英雄の行動と対立する場合、彼らはテストを行う必要はない。
何らかのクリーチャーに抵抗される課題の難易度と、それに対するテストを迅速に評価するために、ディレクターは以下のガイドラインを使用できる(これらは絶対的なルールではない):
- イージー・テスト: ただひとつのクリーチャーが英雄に抵抗しており、そのクリーチャーのその課題に対するテストロールのボーナスが、英雄よりも低い場合。例えば敏捷力2の英雄が、判断力0の衛兵のそばを忍び通ろうとするなら、テストはイージーである。
- 中程度のテスト: 複数のクリーチャーが英雄に抵抗しており、それらのボーナスが英雄よりも低い場合。あるいは、一人のクリーチャーが抵抗しており、そのボーナスが英雄と同じである場合。
- ハード・テスト: 抵抗するクリーチャーが英雄よりも高いボーナスを持っている場合。あるいは、英雄と同じボーナスを持つ複数のクリーチャーが英雄に抵抗している場合。
対抗的な課題における失敗の代償は、その場で最も作りやすいもののひとつだ。誰かから隠れるのに失敗すれば、見つかる。誰かに嘘をつくのに失敗すれば、二枚舌を見破られる。無料のビールを賭けて腕相撲をして失敗すれば、勘定を払わされる。代償とは、対抗者が英雄を打ち負かすことそのものである。
NPCが欺瞞的課題でロールする
時として、ディレクターはキャラクターに欺瞞(ギマン)に気づかせるテストをさせるのではなく、NPCの側に欺瞞的な課題のためのテストを行わせることを選ぶかもしれない。このような場面でNPCにロールさせることで、ディレクターは伏線や計略が動いていることをプレイヤーに悟られずに済む。
例えば、英雄たちが焚き火を囲んでいるときに暗殺者が待ち伏せを仕掛けようとしたとする。プレイヤーの誰かが「英雄が周囲を警戒している」と言えば、その英雄は危険に気づくために判断力テストを行う。しかし、誰も見張りをしていなければ、暗殺者が英雄たちに気づかれず近寄るために敏捷力テストを行う。暗殺者がテストに失敗すれば、刺客が派手に小枝を踏んだため英雄たちは即座に気づく。暗殺者が成功すれば、英雄たちは刺客がすぐそこに来るまで気づかない。
NPCが英雄に嘘をつく際、英雄に相手を疑う理由が特にない場合も、NPCが魅力テストを行うかもしれない。英雄たちがそのように警戒しているかどうかをディレクターが知る方法は、プレイヤーが「NPCの誠実さを見抜くためにテストできるか」と尋ねることだ。
オプションルールとして、ディレクターが望むならいつでも、欺瞞的なNPCに対して英雄に「リアクティブ・テスト(反応テスト)」(後述)を行わせることも自由である。
対抗パワーロール (Opposed Power Rolls)
2体のクリーチャーが特に劇的な競り合いをしており、両者がテストを行う必要がある場合、ディレクターは関与するすべてのクリーチャーにテストを行わせることができる。パワーロールが最も高いクリーチャーが勝利する。これらの対抗パワーロールでは報酬を得ることはできず、通常の難易度構造や3つの階層(ティア)の結果も適用されない。
例えば、英雄がデーモン・ロードのそばを忍び通ろうとするなら、英雄は隠密に移動するために敏捷力テストを行い、デーモンは英雄に気づくために判断力テストを行う。英雄のパワーロールが高ければ、デーモンに気づかれずに忍び通れる。デーモンのロールが高ければ、忍び込もうとしているところを見つかる。複数の忍び寄る英雄が複数のデーモンのそばを通ろうとするなら、各クリーチャーがテストを行い、すべての合計値を比較して、どのデーモンがどの英雄に気づいたかを決定する。
対抗テストで同点(タイ)になった場合、場面の状態は変化しない。先の例で言えば、同点は「見張りのデーモンが忍び寄る英雄に気づいていなければ、デーモンは気づかないまま」ということを意味する。もし英雄が見つからないように行動しているときに、デーモンが「どこかに英雄がいる」とすでに知っていた場合、同点は「デーモンは依然として英雄がいることを知っているが、その正確な位置は特定できていない」ということを意味する。
対抗パワーロールはティアを使用しないため、対抗パワーロールを行う場合、倍有利(ダブル・エッジ)はロールに+4のボーナス、倍不利(ダブル・ベーン)は-4のペナルティとなる。自動的なティア上昇は+4のボーナス、自動的なティア減少は-4のペナルティとして扱う。